創業300周年を記念した限定醸造。
長い年月をかけて培ってきた浦霞の技術を注ぎ込み、
次の100年に向けて挑戦した純米大吟醸酒です。
これまでと変わらぬ真摯な酒造りで、
これからも弛まず挑戦し続ける想いを
この記念酒に込めました。
温故
知新
浦霞の吟醸酒の醪から1965年頃に分離された酵母は、1985年日本醸造協会に「きょうかい12号酵母」として登録されました。しかしながら、吟醸酒の嗜好も時代とともに移り変わり、この酵母も次第に使われなくなっていきます。時代が令和へと移り、吟醸造りの歴史に浦霞が記した足跡を知っていただきたいという思いから、浦霞発祥の「きょうかい12号酵母」による酒造りを2019年に復活。300周年記念酒には浦霞の重要な財産である酵母を使用しています。
2004年、創業280周年の年のこと。昔ながらの酒造りの技を継承すべく木桶で仕込んだ山廃純米酒に、「貳百八拾號(にひゃくはちじゅうごう)」という名を木桶と商品名に託し発売しました。それから20年。自然に存在する乳酸菌を取り込んで乳酸を生成し、酵母が増殖する環境を整える「生酛造り」も受け継いできた技術のひとつです。そしてこの度、300年の歴史で初めての試みとなる精米歩合12%の山田錦を使用し、高精白では難しいと言われる生酛造りに挑戦。伝統と革新をここに融合しました。
南部杜氏流の真骨頂と言えるのが、低温長期発酵によるほど良い香りときれいな酒質を生み出す醪造り。吟醸酒では10度以下の低温で30日以上かけて発酵させますが、精緻な温度調整が常に求められ、この状態を保つのが至難の業。記念酒の醸造もまた然り。成分分析の結果だけでなく、杜氏を中心に蔵人が長年にわたって蓄積した酒造技術と経験をもとに生き物である醪と向き合う。こうして、浦霞を象徴する絶妙な味と香りのバランスを創り出しました。
上槽後は瓶詰めのちすぐに瓶燗火入れし急速冷却、熟成へ。浦霞の酒造りにおいては、この貯蔵も大事な商品づくりの工程です。常に我々が目指すのは「品格のある酒」。約30ヶ月にもおよぶ熟成期間を経て、理想とする落ち着きのある中にも風格を感じさせる酒質へと仕上がりました。
パッケージには、サトウキビの搾りかすであるバガスを原料としたバガス紙を使用。これからは自然環境に配慮したパッケージを使用する意志をここに表すとともに、この地で酒造りを続けていく想いをこの記念酒に託しています。この記念酒は、1本1本を丁寧に、すべて手作業で仕上げました。私たちの「手」で、未来の世代に豊かな自然環境を残し貢献することを目指します。
精米歩合12%まで磨き上げた山田錦と
浦霞発祥「きょうかい12号酵母」を使用した
生酛造りの純米大吟醸酒。
落ち着きある中にも華やかな吟醸香をまとい、
きれいながらも穏やかな複雑味と
柔らかな重厚感ある味わいへ熟成しました。
720ml 22,000円(税込)
種類 | 純米大吟醸酒 |
精米歩合 | 12% |
アルコール分 | 16度 |
原料米 | 山田錦100% |
日本酒度 | -7~-6 |
酸度 | 1.4 |
酵母 | きょうかい12号酵母 |
保存方法 | 冷暗所 |
未成年の飲酒は法律で禁止されています。
20歳未満のお客様へのお酒の販売はできません。