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風土に根ざす

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風土に育まれて300年
次の100年も、地域と共に

浦霞の本社蔵がある塩釜はいにしえの都人憧れの地として多くの歌に詠まれ、浦霞の名も鎌倉幕府3代将軍源実朝が詠んだ歌に由来します。その塩釜で東北を鎮護する陸奥国一之宮として、朝廷をはじめ庶民の崇敬を集めてきたのが鹽竈神社。浦霞醸造元 佐浦は1800年代半ばに仙台藩からの御下命を受け、鹽竈神社の御神酒酒屋となります。

平成のはじめには、浦霞が蓄積してきた酒造りの経験・技術を生かし、高品質な酒をより安定的に醸造し貯蔵熟成できる態勢を整えるため、塩釜と同じ松島湾に面した東松島の地に矢本蔵を新設・稼働させました。

酒造りにおいては、米どころ宮城で収穫される酒造好適米の蔵の華、吟のいろはや、一般米のトヨニシキ、まなむすめ、ササニシキなど、地元米を全使用量の90%ほど使っています。味と香りが調和し飲み飽きしないという酒質も、新鮮な海の幸に恵まれた地域の食文化とともに育まれました。

浦霞は1724年の創業から、歴史的にも、食文化的にも地域社会と密接な関係を保ちながら酒造りを続け、その味わいが磨かれ、300年という時を紡いできました。



日本酒は地域の食文化の重要な要素であり、その結節点になるもの。浦霞が塩釜、そして東松島の地でこれからも歴史を重ねていくには、この地での存在価値を磨いていくことが大事だと考えています。

地域との共生として、塩釜の米づくりを残すサポートをするため、塩釜市内唯一の水田が残る寒風沢島(さぶさわじま)の米で醸した「純米吟醸 浦霞 寒風沢」を販売。宮城県産の素材を活用した日本酒ベースのリキュール造りにも取り組んでいます。

また、一般消費者の方を対象とした日本酒セミナー「うらかすみ日本酒」や、本社蔵併設の「浦霞 酒ギャラリー」での日本酒文化の発信にも努めています。販路が国内外に広がっている今、日本酒を通じて私たちの地域を知ってもらい、愛着を持ってもらう。しっかりとその役割を果たし、「浦霞がこの地にあって良かった」と思っていだける存在であり続けるのが究極的な目標です。

塩釜で生まれ、300年の歴史の中で育まれてきた浦霞は、日本酒の素晴らしさをより多くの人々に提供することを使命に、これからも歴史を重ね、風土に根ざし、文化を醸していきます。